【TARMACは選ぶな!】一般人の大半はAETHOSがベストセレクト
AETHOS(エートス)の振り返り記事です。
少し攻めたキャッチーなタイトルにしましたが、現在はTARMACに乗っている店主です笑
AETHOSについては、私自身も真剣に乗っていた時期もあり、日々のサイクリングから、ロードレース、ヒルクライムレースでも乗ってきました。
自信を持って言えることは、私がこれまで乗ってきたロードバイクの中で、最も乗り心地が私好みでした。
今回は熱量高めで、販売店の立場でありAETHOSのファンでもある店主が解説していきます。
リリース時期と重量以外は、あえて何も調べす、私の記憶と独断な主観と偏見で書いていますので、ご容赦ください。
はじめに、、、
【AETHOSのコンセプト】
AETHOSはレーシングバイクではありません。
一般ライダーが楽しくロードバイクに乗るために作られたバイクです。
単純な「つくり」は、ポジションの自由度が高く、エアロ性能を取り入れない時代に逆行した構造も、一般ライダーにとって多くの恩恵を与えます。
発表当時はTARMAC SL7がリリースされたばかりともあって、市場はTARMAC一色に染まっており、メーカーはマーケティングの打ちだしや差別化に苦労しているように思えました。
TARMACと異なる情報として、どうしても「軽さ」だけが先行していたように思えますね。
AETHOSの魅力は軽さではありません。
魅力については、後に述べますね。
まず、
現在は二世代のAETHOSが展開しておりますので、新旧について知っておきましょう。
【AETHOSの歴史(TARMACも記載)】
2020年7月にTARMAC SL7 発表
2020年 10月 AETHOS 発表
2023年 8月 TARMAC SL8 発表
2025年 10月 AETHOS 2 発表
TARMACの発表間隔と比べると、AETHOSの方が次の世代までの期間が長めに取られていることがわかります。
これは、AETHOSそのものがレーシングバイクではなく、はじめからモデルチェンジする必要もないほど構造が単純で熟成されていた製品のためです。
重量スペック比較>>
(旧)S-WORKS AETHOSフレーム重量:585g(56サイズ/メーカー公表値)
(旧)限定完成車S-Works Aethos Founder's Edition完成車重量5.9㎏(メーカー公表値)
(新)S-WORKS AETHOS 2フレーム重量:595g(メーカー公表値)
(新)S-Works Aethos 2 SRAM RED AXS 完成車重量 5.98 kg /(56サイズ/メーカー公表値/tubeless)
新型の方がやや重くなっています。(理由は後に述べます)
現在はAETHOSと、AETHOS 2が販売中>>
現在のラインナップを整理します。
2026年2月現在、AETHOSは、第一世代のプラットフォームを採用されているSPORT、COMPグレードと、第二世代の新プラットフォーム採用のEXPERT、PRO、S-WORKSグレードがございます。
旧プラットフォームのEXPERT以上のグレードもまだ一部流通していますね。
新旧プラットフォーム共に根本的なコンセプトは同じなので、私が試乗した感じでも、乗り心地は新旧で「可もなく不可もなし」でした。
いい意味で「変わらぬフィーリング」で、どちらも大変乗り心地は良くAETHOSらしい乗り味でした。
↑写真 S-WORKS AETHOS 2
新旧どこが変わってどう選ぶのか>>
正直新プラットフォームになって、「性能が高くなった」という変化は遂げていません。
その変化が都合が良い人にとっては良いものなり得ますし、その変化が都合が悪い人にとってはマイナスポイントにもなり得ます。
まず、新旧でジオメトリーが異なり、大きく変わったのはスタック値で、AETHOS 2の方がハンドルポジションが楽になります。
旧プラットフォームはTARMACのジオメトリーとほぼ変わらないため、バイクに乗るフォームなどはレーシングバイクと同様なフォームとなります。
新プラットフォームはややオールロード思考になってホイールベースが広がったり、ヘッドアングルがやや寝ていますので安定感が高まっています。(逆を返すと敏捷性がやや乏しくなっています)
レースに参加しない多くの一般人にとっては新プラットフォームの方に分がありそうですね。
それに対して前傾姿勢を深く取りたい人にとっては旧プラットフォームが良いでしょうね。
後に語りますが、新プラットフォームは若干のエアロを取り入れつつも、ケーブルの長さはある程度融通が利くつくりになっていますので、扱いずらさは悪化していません。
また、先に述べた通りで、現在のラインナップから言うと、グレード(価格)によって新旧変わりまして、現行ラインナップではEXPERT以上のグレードだと新プラットフォームのAETHOS 2になります。
なので、ポジションやフォームの再現性といった面もありながらも、ご予算の価格的な都合によって、必然的に選ぶモデルが決まってくると思います。
ちなみに、
先日当店でご納車いたしましたAETHOS COMPを選ばれましたオーナー様ですが、それ以前までオーナー様が乗られていたバイクのポジションを確認し、AETHOS(旧プラットフォーム)にポジションを落とし込んで、アレンジを加えた上でオーナー様が満足するポジションを作ることが出来ました。
ポジションとして、旧プラットフォームで問題ありませんでした。
どんなジオメトリーのバイクであっても、採寸やポジション確認は大変重要なプロセスですね。
なお、他にも変わった点はいくつかありますが、もう一つ上げておくと、新型はUDHハンガーとなります。
これはSRAMさんの一部のコンポーネントで組み立てたい方にとっては有難い変更点と言えますが、、、、、
AETHOS2を 「UDHでないと組み立てられないコンポーネントで組み直す」という事は『今のところ』少ない選択かと思いますので、あまり気にしなくとも良いかと思います。
最新のバイクでは、何かと「UDH」というワードが出てきますが、現在においてフレームがUDH対応が否かで価値を図るのはMTBとグラベルバイクくらいでしょうね。
(シマノの次期新型ロードコンポがSRAM規格のUDHを採用するとは思えません→MTB系のXTR、グラベル系のGRXですら採用していないため)、、、はたしてどうなるでしょうね笑
重量増の要因はこれ>>
以上の変化点である、スタック値増とUDH化を踏まえて、これが構造的に重くなってしまう大きな要素となります。
それが新旧でのフレームセット重量の差になっていますが、現在におけるスペシャライズドの強度計算などの最新の解析技術により、その重量増は「最小限」に留められています。
ほんの10gの差ですからほぼ据え置きと考えましょう。
【AETHOSは「らしくない」バイク】
スペシャライズドは、かつて販売されていたVENGEを含めて、TARMACもROUBAIXもALLEZについても、どれもレースで勝利するためのバイクとして製品開発されました。
そして私の理解としては、AETHOSはスペシャライズドで初めてレースを目的としていないロードバイクとして開発されました。
今までスペシャライズドが勝つためのバイクを開発していた歴史からすると、
「なんてスペシャライズドらしくないバイクだ!」と当時は率直に感じ、その魅力と価値に気が付けませんでした。
そして多くのライダーが「レーシングカー」に憧れ、
VENGEやTARMAC SL7に惹かれていました。
(ロング思考の方にはROUBAIXがあったのでAETHOSの存在価値が図れなかった)
【現代におけるエアロ、そして使いづらさ】
最終型VENGEを筆頭に、ディスクロードが浸透し始めた2018年以降から、多くのメーカーが多くのモデルにエアロ性能を反映させて行くことにもなり、「ロードバイク」の汎用性(扱いやすさ)がどんどん損なわれいいきました。
ハンドル周りはポジションの融通が効かず、調整範囲は極僅か。
汎用性の無い専用シートポストによってオフセット変更がごく狭い範囲でしか出来ない。
パイプがエアロ形状がゆえに乗り心地の悪化。
ケーブルフル内装によってヘッドベアリングのグリスアップやベアリング交換も容易にできず、ポジション変更に伴う作業費用は増大。
初心者にとっては不都合点が多すぎる扱いずらいバイクが増えに増えました。
【エアロ性能を捨てたことによる大きな恩恵】
AETHOSはエアロに配慮しないことでフレーム(パイプ)は純粋に『しなり』を発揮しやすい断面形状へ、よって乗り心地が最大限に高められました。
そして、より少ない材料で構成されますので結果的に軽量になります。
さらにケーブル類はフル内装にしない事で汎用性の高いシートポストと、汎用性の高いハンドル周りで構成されます。(alpinist cockpitなど一体型ハンドルを除く)
なお、新型のAETHOS2に関しては若干のエアロ性能を反映し、フル内装に近い構造になっていますが、TARMAC SL8と比較するとケーブルの遊び量が持たせやすくSL8よりは融通が利きやすい作りです。
【いつから評価されはじめたのか】
上記の通り、エアロを取り入れず、乗り心地や、メカ的な管理のしやすさを含めた『扱いやすさ』を追い求めた結果がこのAETHOSです。
発表当時、TARMAC SL7と同時期に販売が開始され、市場ではSL7ばかり売れ、メーカーもAETHOSの販売に苦戦を強いられていたように思えました。
当店でもSL7ばかり販売している時期はAETHOSはほとんど販売していません。
しかし市場にSL7が行き渡る頃、つまりは2022年シーズン後半頃から次第にAETHOSが売れ始めました。
私もその流れで2023年からTARMAC SL7からAETHOSに乗り替えました。
発表当初の試乗会で、大変フィーリングが良いことはわかっていたものの、やはり大満足のライドフィールでした。
エアロを意識していない一般的なフォルム、
大変スマートで、飽きの来ないシンプルなデザイン、
気づいたときには、2023年については当店ではロードバイクとして一番多くの台数を販売していました。TARMAC SL8が発表された年でしたが、SL8は初年度は非常に品薄でしたからね。
私だけでなく、その頃には広く一般の方に存在価値が評価されたと実感しました。
【気が付けば革新的】
スペシャライズドは多くの先進的な「新しい機能」などを発表し、多くのメーカーに真似をされてきました。
そして追従しようとする他メーカーから真似をされる頃には、また新しい機能を打ち立て、常に業界をリードしてきたブランドです。
しかし、AETHOSについてはどうでしょうか。
AETHOSに関しては、他メーカーから類似したコンセプトのバイクがほぼ無いため、ついに独自の路線を築けたと思います。
ここで初めて、AETHOSが本当の意味で「革新的」なバイクとして評価されたことでしょう。
発表された当初は、私自身も乗り心地は良いとは思いつつも、その革新さに気が付くことが出来ませんでした。
先に述べたように、時代が次第に「エアロ」に振り切ってしまったことで、AETHOSの需要が高まったとの見方もできますね。
【どんな方にお勧めなのか】
勝手なイメージとして、20年前にカーボン素材が主流になりつつある中で、スチールのフレームを選んでいた方が、現代ではAETHOSに置き換わっているのかな、
とも想像しています。
↑写真 2023ツールドおきなわを走ったAETHOS
速く走れません>>
現代のレース機材としては、有利に活用できるとすればヒルクライムです。
ロードレースやクリテリウムなど、同じ予算で選ぶならTARMAC SL8を選んでください。
私も2023年のツールドおきなわではAETHOSで走っていますが、その時はエアロ性能の乏しさをホイールとハンドルで何とか補ってバランスをとっていました。
しかし周りのライダーがAETHOSではなくTARMAC SL8で走っていれば、AETHOSはハンデにしかなりません。
レースで使われて「伸びが無い」とおっしゃられている方がいらっしゃいましたが、当然の感想です。
もし伸びのある走りや速さを求める場合には、AETHOSという選択は不正解となります。
究極的な快適さはありません>>
ブルべなど連日距離を乗り続ける状況化であれば、ROUBAIXを勧めます。
サスペンションが搭載されているため、ハンドル伝わる振動は無振動と言っていいほどの快適さです。
翌日もノーダメージで走り出せます。
一回で200kmを越える距離や、100km程度の距離でも連日乗り続けるならROUBAIXを勧めます。なお、ROUBAIXの方がエアロ性能も備えております。
総括>>
レース用途(ヒルクライム除く)ではなく、連日走り続けるようなブルべレベルの長距離ライド以外でサイクリングを楽しむ一般ライダーさんにお勧めできます。
つまり、ほとんどの一般ライダーさんにおいて、ベストな選択です。
ご自身でメンテナンスできる範囲も広げられるでしょうし、シンプルなデザインは流行りに流されず、長く乗っていただけるパートナーになってくれるはずです。
長い距離に重点を置くならば、旧プラットフォームで32C、新プラットフォームで35Cまでのタイヤが入ります。
タイヤを太くして乗り心地をさらにアップしても良いでしょう。
もちろん、スポーツカーに憧れる想いは無視できません。
硬いサスセッティング、インチ数の大きいホイールを履かせ、高出力なエンジンのアクセルを開ける爽快な走りだしを思い描いている方は、AETHOSではなく「レーシングバイク」を選んでください。
ここまでAETHOSを持ち上げていながらも、当店において過去半年間ではTARMACの方が圧倒的に売れています。
TARMACの「スピード」も大変気持ちいいものがあります。
例外として>>
高体連や学連レーサー、実業団などのホビーレーサーな方で、熱心にレース活動をされている方でも、スペアバイクとしてAETHOSは大変お勧めです。
管理のしやすい構造はメンテナンス性が良く、ご自身でメンテナンスできる範囲も増えますし、メンテナンス費用を抑えられます。
雨の日のトレーニングなどでも構わず使ってください。
もちろんAETHOSもUCI公認機材ですので、規定重量には気を付けなくてはなりませんが、公式レースにも使えます。
メインバイクの予期せぬ大規模メンテでの長期入院期間中にも、活躍してくれること間違いありません!
AETHOSはエアロという手かせのない、
自由なバイクです。
その魅力を多くの方に知っていただければ幸いです。
ご自身にぴったりのバイクに出会えることを祈っております。
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