【TARMACが選ばれる理由】なぜ軽さにこだわらないのか?

「軽さは正義」

そんな言葉を聞いたことがあります。

重量は数字ですべてが判断できますので、判断材料としては単純で簡単です。

しかし、実際に試乗会などの現場で、いわゆる「超軽量を謳っているバイク」の乗り味の感想を聞くと、「いい感想はあんまり得られません」。

本当です。

おそらく試乗コースの問題もあると思いますが…

ずっと登りの「登坂コース」であれば、「登っている間だけ」はいいんでしょうね。登っている間は。

まぁしかし、試乗会の安全を考えると、下りもコースルートに組み込むことはイベンターサイドとしてはリスキーなのでやりたくないという思惑もあると思います。

とはいえ私はその類のバイクを試乗して「低出力での登坂」以外は、いいフィーリングを得られた経験は皆無ですね。


さて

スペシャライズドは、「超軽量バイク」はありません。

※しかしS-WORKS TARMAC DISC DI2の完成車重量はおよそ6.5kgなので十分軽い


なぜなら「ロードレースで勝つためのバイクを作っているから」です。

エアロ性能の高いVENGEも

振動吸収性の高いROUBAIXも

全ては勝つためのバイクです。


強いて言うのであれば、登坂が一番得意なのは、

全てにおいて万能なTARMACです。


しかし「ロードレース」は・・・

コースは毎回違い、変化が多いのがロードレースです。

登りもあれば下りもある。

わざと市街地を通して狭い道もコースレイアウトに組み込んで、必ずしも大集団が有利のコースではないようにしていたり。

風向きも一定ではない。

距離も長い。

それによりレース展開も発生して、観ている側も楽しめます。

その選手たちが乗るバイクは、選手の高い出力を受け止めなくてはならないし、ヒルクライムで勝負が決まることもあれば、下りで逃げを打ったり、ゴールスプリントで勝負が決まることも・・・

最後まで、どんな展開になるのかわかりませんので、せめて「コース」によって最適で得意なバイクを選手が選べるように、特性の異なるTARMAC、VENGE、ROUBAIXの3種類のバイクを用意しているのです。



そしてその中でやはり一番アマチュアに人気なのはTARMACですよね。


このブログを書く前日に行われた、2019ツールドフランス第8ステージで、ジュリアン・アラフィリップが見せたアタックを打つ走りをみてください・・・

アタックをしたのは峠の後半で、下りも全開でペダルを踏みまくって、そのままゴールラインまで大集団に追いつかれることはありませんでした。

あの切れの良いアタックを支えたのはS-WORKS TARMAC DISCでした。


ちなみに今のSL6世代のTARMACは、あのピーター・サガンが2017年世界選手権ロードで3連覇目を飾った時に乗っていたものとも一緒。(その時はDISCモデルではなかった)

あの時は最終的に「スプリント」で、勝負に打ち勝っています。

TARMACはスペシャライズドでは間違いなく一番ヒルクライムを得意としているバイクですが、決して軽量を謳っていません。


【参考重量】※ペダルレス

(ディスク)S-WORKS TARMAC DISC Di2・・・・6.5kg 

(リム)S-WORKS TARMAC Di2・・・・・・6.2kg

(リム)S-WORKS TARMAC ULTRALIGHT Di2・・・6.0kg(塗装を軽量にしたモデルで現在廃盤)


十分軽いとも思いますが、スペシャライズドの開発力をもってすれば、軽く作ろうと思えばもっと軽く作れます。

しかし、ロードレースで勝つための機材として、あらゆるレース展開に対応するために・・・

・下りでの安定性の良さやハンドリング性能

・スプリントでも力が逃げないハンガー周りの剛性

・パヴェ(石畳)などの荒れた路面を乗ったり長い距離を乗っても疲れない振動吸収性

全てのバランスを追求したのがこのTARMACなんです。

ロードレースで勝つことを考えると、上記の性能を犠牲にすることはできないんです。


さらにプロではなく一般人が乗るのに重視すべき点は、「ライドフィーリング」です。

私もTARMACが好きで乗っていますが、私のような非力なライダーが乗っても、「ハイエンドバイク特有の加剛性感」が感じないのが驚くべき点です。

現行のTARMACはSL6世代目なのですが、SL4はかなり固く感じましたし、SL5でかなり改善されたと思っていました。

そしてSL6と来て、SL5よりもさらに完成度を上げて、「こんなにも踏み心地が気持ちの良いハイエンドバイクがあるのか!」と驚きました。

特に身体の小さい日本人として都合が良いのが、各サイズごとに別のバイクとして考えている思想です。

同じTARMACでも44~61サイズ(海外で全7サイズ)まで、全てのバイクを「同じモデルのバイク」でなく、サイズ違いのバイクを「別のバイク」として考えて、全てのサイズでコンピューター上の解析だけでなく、風洞テストや実走行による動的テストを繰り返しています。

それにより全ての体格のライダーが同様に「良い」と感じる仕上がりになっているのです。

フレームサイズは一般的にはサイズが小さくなると剛性が高まり、大きくなると剛性が落ちるといった傾向ですが、スペシャライズドの今のTARMAC、VENGE、ROUBAIXは、もちろんこの

ライダーファーストエンジニアードと言われるテクノロジーを採用しております。

本当に乗りやすく、どんな場所でも速く快適に走れるバイクがTARMACなんです。

なので、

やはりプロ選手に限らず、日本国内のアマチュアロードレーサーの多くの方達に選ばれるバイクなんですね。


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私もTRAMAC

大好きですよ!

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