圧入 BBとの付き合い方

先日、S-WORKS TARMAC (SL5世代)の BB交換作業を行ないました。
なぜなら…

そのお客様は、ペダルを漕ぐたびに『パキパキ』とした異音がするという症状を訴えて、修理にお持ち込みになられました。
各部チェックをして、ベアリングを手で回すと『ゴリゴリ』と傷みがでていたのと、ベアリングの再接着も前回いつやられたのか心当たりもなかったため、「ベアリング交換」と「再接着」が必要な作業と判断しました。
そして、ベアリングは新品に交換し、フレームも清楚&完全脱脂を行なった上でロックタイトで接着。
アダプターも腐食して傷んでいたため交換しました。
そして、使用したロックタイトは完全硬化にはかなり時間を有します。
その間自転車に乗ったり、ペダルに足を乗せて欲しくなかったため、お客様には恐縮ですが輪行袋をお貸しして電車でお帰りいただきました。
レースが迫っており、急いでいたという事でしたので、今回は特別な対応です。
何とか問題のない状態で、レースに挑んで頂きたい思いでした。

その後の選手からのフィードバックとしては、、、
今のところツアーオブジャパンというレースをフルステージで走り切っても、問題なく使えているとのことでした。
良かったです…😌

圧入系BBの良くあるトラブルがこの『異音』です。
使う BBにもよるのですが、一般的に本来の使用 BBとしては、ベアリングを直接圧入するタイプの BBと それ専用のクランクを組み合わせるタイプ。
だいたいのケース(もしBBから異音発生している場合)は、ベアリングの接着が剥がれて隙間が出来てしまってるパターンです。

ペダルを漕ぐとチカラがかかり、その隙間で『きしみ音』がします。
どうすれば防げるのか?
それはとても単純で、再接着をするだけです。
そう、
異音がしたら、再接着をするだけ。
もちろん音鳴りが始まってさらに使い続けた場合はフレーム側の穴(圧入部)がバカ穴になってしまい、接着剤(ロックタイト)でその隙間を埋めきれないです。
もちろんそうなってしまった場合の対処法もありますが、そうはならないように、こまめに!チェック&対処を怠らないことが重要です。
これらは、BB30やOS BBに特化した話でなく、全ての圧入BBに言える事ではないでしょうか?
※BBに限らず『調子の悪い機材を使い続ける』こと自体、あらゆる物で問題です
ちなみに私の感覚では、サンデーライダーな方であれば一年おき。
雨の日も構わず乗ってしまう方や、ハードに扱われるホビーレーサーな方や、ウェイトのある方であれば半年に一度くらいでしょうか?
そのサイクルで、再接着が必要かと思われます。
(異音がしなければ再接着の必要はありません。)
『えー!めんどくさい!』
と圧入 BBは嫌煙されがちですが、それと引き換えに軽さとダイレクトな踏み心地が手に入りますし、フレームの製造コストも抑えられます。
メリットが沢山あるんです^_^

とはいえ、、
そもそも BBから異音がしていないパターンも多々ありますので、『なんだよー、異音し始めちゃった…もう圧入 BB嫌だな…』と、闇雲に圧入 BBに対してアレルギーを持って欲しくはないです。
ちゃんとトータル的に点検作業を行なった上で、必要な処置をどうするか考えていきましょう。
何かがあれば、都度然るべき対応を取るだけです♪
整備を行なって、気持ちよく乗れるようにしましょう(^_-)♪

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